遠隔医療

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By: Helpdesk CKA

Ilha do Frade. Fernando de Noronha. Caju© 2009


遠隔医療

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当院では、オンライン診察は医療の利便性を高めるものと位置づけております。数年前より、「感染症患者が通院しなくても済む」ために実施してます。例えば、発熱と発疹で受診された小児を水痘と初診で診断した場合、罹病期間中はオンライン診察でフォローアップするといった様な運用方法です。オンライン診察を利用すると、移動や待合の時間の節約もありますが、それ以上に受診が継続しやすくなるのが一番のメリットです。体調不良の時や、付き添いがない時でも受診できますので、頻繁なフォローが可能になり、病気の悪化を予防できると考えます。また、外出しない事で、周囲を感染させない、あるいは患者本人の院内感染を防げます。

オンライン診察はすべての疾患で実施できる訳ではありません。ビデオ通話を利用しても、得られる情報が限られ、触診などができないので全体の把握が無理です。従って、秋山一誠診療所ではオンライン診察は対面診察を補完するものとし、初診と治癒確認の最終再診は基本的に患者さんにご来院いただいてます。

しかし、2020年に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生しました。感染拡大予防には「人と人が接触しない」がベースになり、外出禁止が望ましい現在では、接触がない「オンライン診察」が注目され、当局(ブラジル国、日本国)からも有用と容認されました。特に、初診よりオンラインで進める方法が緩和されました。

また、慢性疾患で状態が安定している患者さんはオンライン診察に適してます。今回の新型コロナパンデミック後、世の中にはいろんなモノ・コトが変革すると思われます。医療の仕方もその一つと考えます。現時点でオンライン診察のネックの一つは保険診療の場合、書類のやりとりが原本を要求しオンライン決済できる商品がまだ少ないところです。オンライン診察が可能かどうか、先ずはご相談ください

オンライン診察の結果、遠隔処方箋(デジタル処方箋、ポル語receita digital)、検査指示書(solicitação médica digital)、診断書(atestado médico digital)などの発行ができます。2021年より、医師が発行するデジタル書類には患者さんのCPFブラジル納税者番号が必須になりましたので、オンライン診察される方は事前にご用意いただく必要があります。

 電子処方箋の扱い方はこちらをご覧ください。


オンライン診察はビデオ通話で実施します。スマホ、タブレット、カメラ付きパソコンが必要です。解像度の関係で、次のアプリやプログラムを使用します:

  • FaceTime(Apple製品、iPhone、 iPad,、iPod,、Mac等をお持ちの場合使用可、推奨
  • Google Meet(電子メールアドレスおよびブラウザ(Google Chrome, Firefox, Safari, Edge等)が必要)
  • 上記が使用不可の場合、LINE, WhatsApp, Signal, Viber, Telegram のビデオ通話(解像度が低く、画像から得られる情報が制限されますのでお薦めしません)

遠隔医療(英語:telemedicine)とは情報通信機器を活用した医療に関する行為と定義されます(註1)。情報通信機器は簡単にいうと、スマホ、タブレットやパソコンなどの事です。医療行為は原則的に対面で行われます。医療行為の対象となる人間は各自心身の状態が異なり、話からだけでは診断は困難です。また、医師法に無診察治療の禁止という項目があり、対面診察でないとこれに該当するとされてきました。この様な事情から、遠隔医療の進歩は正に言葉の狭義のとおり、距離的に遠い、僻地に医療行為をもたらす方法が勘案されてきました(註2)。一番良い例は、遠隔地で撮影した医療画像を専門医に送り、診断の助言を仰ぐ方法です。また、インフラさえ整えば、遠隔操作で手術を行う事も技術的に可能になってきてます。

  • 註1:遠隔医療は次の3分類がある:
    • 1.遠隔健康医療相談:一般的な情報提供による医学的助言;相談者の個別な状態を踏まえた具体的診断は伴わない。
    • 2.オンライン受診勧奨:受診不要の指示や助言。診断や医薬品の処方等は行わない。
    • 3.オンライン診察:患者の診察及び診断を行い、処方箋発行などの診療行為を行う。
  • 註2:米国で近年発達している遠隔医療は、対面診察をオンライン診察に変えるもの。元々対面診察でも触診などあまりしない検査ベースの医療文化のため問診をビデオ通話で行うのに変更したと考えてもよい。